NYではピストは主役でもあり、当たり前の乗り物でもある。しかしNYのバイシクルシーンは本当に広い。
ピストで生活を支えているメッセンジャー。街のピストライドを極めた者達がそのルーツを求めてたどり着いたトラック競技。自己表現の手段として自転車を選んだ若いアーティスト。2段重ねの奇抜な改造自転車でアートシーンを刺激するBlack Label。毎月第4金曜日に集まって集団ライドを繰り広げるCritical Mass。酒場で熱狂的に繰り広げられるGold Sprintレース。日曜のProspect Parkの崖を一気に下りきるダウンヒルバイク。Brooklynの橋の下で技を磨くBrooklyn BankのBMXキッズ。Central Parkを$3000のドリームバイクで回り続けるNYCのセレブリティー。
いろいろなマシンにいろいろなライド、いろいろな楽しみ方があるけれど、いつだってピストはNY自転車シーンの主役だ。ピストのスキルとスピリットを身につけたライダーは、どんなライダーからも心からのリスペクトを受ける。縦横無尽にコンクリートジャングルをサバイブし続ける彼らは皆、独自のオーラを放つ。FAXの発明を経て、インターネットの普及により、メッセンジャーという職業で生活することが本当に難しくなってきた現在、ピストをライフスタイルの中心に置く人々の急激に変化し始めた。でもたった今、世界的規模で街乗りピストが流行しているからってNYはそれを全く気にしたりはしない。だってNYでは、マウンテンバイクが誕生するよりもずっとずっと前から、ピストは当たり前の乗り物だったのだから。